リスの冬眠
野生下での冬眠
冬眠の準備は秋から始まります。
ドングリなどを冬眠用に貯蔵し、巣には落ち葉をたくさん敷き詰めて温かくします。
冬眠中は、熊のように冬眠前に脂肪を蓄えておき眠り続けるのではなく、リスは冬眠中も時々起きてエサを食べたり排泄したりします。
木の洞に冬眠するリスもいますし、地中に穴を掘って巣を作り、冬眠するリスもいます。
地面を掘る場合、前の年に別のリスが使用した巣か、もしくは新たに自分で冬眠用に掘った巣を使います。
冬眠中は穴をふさぐので、春になって目覚める時は、新たに出口を掘って地上に出てきます。
冬眠し始める時期は、大人のリスはだいたい10月中旬から、その年生まれた子供のリスは10月下旬から11月と、子リスの方が遅めです。
冬眠をし始めたころは20℃くらいまでしか体温が下がりませんが、真冬には5℃くらいにまで下がります。
呼吸数も一分間に3~4回にまで減り、酸素消費量が少なくなります。
このような状態で4月から5月まで冬眠が続くのです。
飼育下での冬眠
飼育下においてリスが冬眠するかしないかは、そのリス自身に判断を任せます。
高齢だとか弱っているので冬眠をさせたくない場合は、室温を20℃以上に保ち、常に温かくします。
特別な事情がない場合は、9月中旬以降になると冬眠するリスは、冬眠用の巣を決定して冬眠の準備に入るので、飼い主側もそのつもりでいましょう。
10月中旬ごろ、リスの体が冷たくなって横たわったまま動かなくなっていたら、「これから冬眠に入るのだ」と、あわてずに様子を見てください。
よく見ると、数十秒に一回程度、呼吸する様子が見られるはずです。
この頃にならないと、飼っているリスが冬眠をするのかしないのかが分からないので、「冬眠する子もいればしない子もいる」ということを十分承知しておきましょう。
冬眠中も2~3日に一回程度起きて、蓄えていたエサを食べたり排泄したりします。
起きた時に食べ物がないと困るので、冬眠しているからといってエサを全部撤去するようなことはしないでください。
なぜ冬眠するシマリスと冬眠しないシマリスがいるのか
同じシマリスなのに、どうして冬眠する子としない子がいるのでしょう。
現在ペットとして販売されているシマリスは、海外から輸入されたものです。
輸入先は、主にアメリカや中国などです。
朝鮮半島に住んでいるシマリスの中に、冬眠しないシマリスがいるようですが、シマリスを輸入する際その輸入先が韓国だと、この冬眠しないシマリスも入ってくるためだと思われます。