現在、世界には約800種類の人と動物の共通感染症があると言われており、日本においてもそういった感染症に対応するため、1999年より厚生労働省が「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(以下、感染症法)」を施行して、予防と蔓延防止に努めています。
日本でのペット用に販売されている様々な動物も、海外から輸入されたものがたくさんいます。
日本に持ち込まれる際に、病原体に感染した動物によって共通感染症が日本に伝播されることがないよう、この感染症法によって多くの規制を設けているのです。
リスはげっ歯類ですから、人に咬みついたり引っかいたりすることがあります。
咬むことによってその傷口から病原体が侵入し、リスから人へ感染する恐れがあるので、リスも感染症法による規制の対象となっています。
プレーリードッグ
プレーリードッグはネズミ目リス科に属し、北アメリカの草原地帯(プレーリー)に生息しています。
日本でもペットとして人気があり、以前はアメリカから輸入されていました。
しかし、1998年にアメリカで輸出用のプレーリードッグが、ペストにより大量死する事故が発生しました。
2002年にも、野兎病でプレーリードッグが死亡する事故が発生したため、2003年からプレーリードッグは日本への輸入が禁止されるようになりました。
リスの輸入
現在、日本で販売されているリスは、外国から輸入されたものです。
エゾリスなどの日本の在来種は保護法によって捕獲が禁止されているため、ペット用に販売されているリスのすべてが、海外から輸入されています。
リスを輸入する際には、輸入国政府機関の発行する衛生証明書を添付し、そのリスが感染症に関して安全であることを証明しなければなりません。
厚生労働省検疫所がこれを審査し、認められると、届出受理証が発行されます。
リスを飼い始めたら
ペットショップで売られているリスは、感染症に関して安全であることが輸出国によって証明されていますが、念のため、他のペットを既に飼っている場合は、リスを購入して家に連れ帰ったらそのペットと接触しないようにします。
こうして一定期間リスを隔離して、共通感染症などの病原体に伝染されているかどうか、念のため確認するといいでしょう。
他のペットと離して飼育することは、リス自身にとってもストレスの軽減につながり、より快適な飼育環境になると言えます。
健康なリスであることが証明された後も、ぜひそのまま他のペットと接触しないように飼いたいものです。
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