リスの住環境
野生のリス
リスは本来、野生生物です。
森林や草原地帯に暮らし、春は冬眠から目覚め、夏は木の芽や虫を食べ、秋はドングリを集めて冬眠の準備をし、冬は木の上の巣や地中に掘った巣で冬眠するといった、自然の中の四季の変化の中で生活しています。
リスを飼うなら、こういった本来の住環境を、できるだけ近い形に再現してあげることが必要です。
餌を集めるために木を登ったり、ドングリを隠すために土を掘ります。
巣をつくるために小枝や落ち葉も集めます。
こうした行動を、飼育下でもできるようにしたいものです。
ケージ内の住環境が悪いと、リスにとってストレスとなり、異常行動や病気の原因となってしまします。
巣
リスは巣を作って、そこを拠点として暮らします。
夜は巣に帰って眠り、日中は危険があったら逃げ込みます。
秋になって気温が下がってくると、餌をため込んで冬眠もします。
リスにとって巣は必需品です、必ず用意しましょう。
野生では木の洞を利用するものや、樹上に小枝で丸い巣を作るものもいます。
巣の内容や置き場所が気に入らないと、野生のリスは気にいった巣が見つかるまで探しますが、飼育下では、リスに巣の選択肢を与えられる住環境を用意するのは難しいかと思われます。
ケージのサイズが十分であるなら、巣箱を2ヶ所設置しましょう。
また、リスが安心して拠点とできるような、快適な巣を用意したいものです。
ホームセンターやペットショップで、リスやモモンガ用の巣箱が売っていたらそれで十分です。
なければインコなど、鳥用の巣箱でも大丈夫です。
巣の中には、りすは落ち葉などを集めて敷き詰めます。
飼育下でもこの行動が再現できるようにしましょう。
新聞紙をちぎったものや、ペットショップなどで売っている草も適しています。
ケージ
本来のリスは木を登ったり下ったり、地面を掘ったりして生活するので、できるだけ広いケージを用意しましょう。
ケージには木の幹を入れたりして、上下運動ができるようにします。
ケージの床面に土を敷き詰めるのは理想ですが、現実的には掃除などを考えると難しいかと思います。落ち葉や干し草、ちぎった新聞紙を敷きましょう。
また、特定外来生物の指定を受けているリスは、環境省に飼育許可の申請をしなくてはならず、その際、飼育場所(ケージ)の図や写真を添付する必要があります。
認可されるには、定められた基準を満たしたケージでなければなりません。
ケージの格子は、リスが逃げられないような大きさであるとか、出入り口や排水施設からリスが出入りできないような作りでなければいけません。